てんかん学分野・てんかん科 新着情報アーカイブ

2013.6.1

柿坂庸介先生が受賞しました

先週、大分市で開催された第55回日本小児神経学会において、柿坂庸介助教が「田原淳(Sunao Tawara)賞」を受賞しました。
受賞の対象となったのは英語セッションでの発表(Kakisaka Y, Kure S: Unique magnetoencephalography interictal spikes and seizure onset: known and unknown advantages)です。

2013.5.13

脳梁離断→切除術によって発作が消失した症例の報告が、「脳神経外科」に掲載されました。

脳内に結節が多発する結節性硬化症の難治てんかんは、しばしば外科治療が困難です。この論文は、脳梁離断術を行ったところ、術前には分からなかったてんかん焦点がはっきりし、2回目の手術でてんかん焦点の結節を切除して発作が消失した患者さんを報告しています。近年、脳梁離断術の診断的意義が注目されています。
著者の佐藤圭亮先生は、脳神経外科で臨床実習を行い、卒業後は坂総合病院で初期研修をします。

脳梁離断術によりてんかん焦点が顕在化した多発結節を伴う結節性硬化症の1例.
脳神経外科 41:421-428, 2013
[A primary epileptogenic tuber revealed after corpus callosotomy in a
patient with tuberous sclerosis complex and multiple tubers]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23648659

2013.4.12

「第5回てんかん包括医療東北研究会」開催のお知らせ

第5回てんかん包括医療東北研究会を下記の要領で開催いたします.
日時 2013年5月25日(土)18:00~
会場 ホテルメトロポリタン仙台(仙台市青葉区)

一般講演
演者 加藤量広先生(東北大学大学院 神経内科学分野・てんかん学分野)
演題 「側頭葉てんかんにおける発作時心拍変化」

特別講演1)
演者 谷口充孝先生(大阪回生病院 睡眠医療センター 部長)
演題 「睡眠センターにおける診療の実際と今後の課題」
座長 中里信和先生(東北大学大学院 てんかん学分野 教授)

特別講演2)
演者 藤井正美先生(山口大学医学部附属病院 手術部/脳神経外科 准教授)
演題 「てんかん外科と医工連携」
座長 冨永悌二先生(東北大学大学院 神経外科学分野 教授)

詳しい案内は、<こちらをクリック>して下さい。

2013.4.11

オプトジェネティクスによる新しいてんかん発作モデルの研究論文がPLOS ONEに掲載されました

オプトジェネティクス(光遺伝学)は、光によって神経活動を直接操作する新しい技術です。この研究ではチャネルロドプシンと呼ばれる光感受性タンパク質を使用しました。チャネルロドプシンが導入された神経細胞に青色の光をあてると、その神経細胞が興奮します。Osawaらは、チャネルロドプシンを導入したラットの海馬に青色光を間欠的に照射して、即時にてんかん発作を再現することに成功しました。
新しいてんかん発作のモデルとして期待される手法です。光を用いているために、てんかん発作が生じるときの脳波をきれいに測定できます。てんかん発作が生じる生理的メカニズムを探るために有用なモデルと考えています。

Optogenetically Induced Seizure and the Longitudinal Hippocampal Network Dynamics.
PLoS ONE 8(4):e60928. (http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0060928)

2013.3.26

今日は「パープルデー」

画像:日医生涯教育協力講座「てんかんの診療連携を考える」

毎年3月26日は「パープルデー」です。
てんかんを正しく理解してもらうためのキャンペーンの一つで、この日に紫色の物を身に着けようと名付けられました。欧米では紫は「孤独」を意味します。てんかんと診断されても孤立しないように、との趣旨です。
「私はキャシディ、9歳です」で始まるパープルデーのホームページ(http://www.purpleday.org)には「てんかんがありますが、普通に暮らせます。てんかんで独りぼっちだと感じている人がいたら、ここに仲間がいることを知って」と書かれています。
カナダに住むキャシディ・メイガンの両親は、てんかんであることを学校で隠すよう娘に勧めました。しかし彼女は、公表する方が友達が助けてくれると考えたのです。
2008年3月26日、キャシディの担任の先生は、てんかんを理解するための特別授業を行いました。その話を地元であるノバスコシア州のてんかん協会が取り上げたことを契機に世界中に広がる活動となりました。
てんかんへの偏見をなくすには正しい知識の普及が唯一の解決策です。しかし、人によって症状が異なり複雑であることから、テレビ番組や新聞記事で一度に全てを説明することは困難です。
3月26日の今日、東北大学病院てんかん科のスタッフは、紫色の物を何か一つ身に着けて診療に当たりました。仕事を終えて、勢ぞろいした写真です。
てんかんの啓発活動は今日だけのものではありません。これからも息長く、力強く、そして明るく続けて行きたいと願っています。

2013.3.5

脳梁離断術後の保護者満足度に関する論文が掲載されました。

てんかんの手術方法のひとつである脳梁離断は、発作を軽減する目的で行われます。私たちは、小児の難治全般てんかんの一部に脳梁離断が高い発作抑制効果をもたらす例があることを過去に報告しました。今回 Seizure 誌に掲載された Iwasaki の論文は、脳梁離断術後の保護者満足度を調査しています。発作の軽減に比例して、手術に対する概ね良好な満足が得られ、特に発作が完全消失している例では明らかに高い満足度が達成されることが分かりました。発作消失は脳梁離断術における重要な治療目標であり、そういった例の特徴を明らかにすることの重要性が示されました。

Iwasaki M, Uematsu M, Nakayama T, et al. Parental satisfaction and seizure outcome after corpus callosotomy in patients with infantile or early childhood onset epilepsy. Seizure. 2013 Jan 28
PMID: 23369272 (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23369272)

2013.3.5

「第34回東北大学てんかん症例検討会」のお知らせ

第34回てんかん症例検討会を下記の要領で開催いたします。
日時 2013年3月9日(土)15:00~
場所 東北大学医学部4号館2階 てんかん科会議室(Cafe)
幹事 東北大学病院脳神経外科 岩崎真樹

お車でお越しの方には外来駐車場の無料券を配布いたします。
飲み物、軽食を用意してお待ちしておりますので、皆様ふるってご参加ください。

詳しい案内は、<こちらをクリック>して下さい。

2013.2.1

「第33回東北大学てんかん症例検討会」のお知らせ

第33回てんかん症例検討会を下記の要領で開催いたします。
日時 2013年2月16日(土)15:00~
場所 東北大学医学部4号館2階 てんかん科会議室(Cafe)
幹事 東北大学病院脳神経外科 岩崎真樹

お車でお越しの方には外来駐車場の無料券を配布いたします。
飲み物、軽食を用意してお待ちしておりますので、皆様ふるってご参加ください。

詳しい案内は、<こちらをクリック>して下さい。

2013.1.8

「東北大学てんかん症例検討会」のお知らせ

第31回てんかん症例検討会を下記の要領で開催いたします。
日時 2013年1月19日(土)15:00~
場所 東北大学医学部4号館2階 てんかん科会議室(Cafe)
幹事 東北大学病院脳神経外科 岩崎真樹

詳しい案内は、<こちらをクリック>して下さい。

なお、当日は午後6時より隣の艮陵会館にて第6回東北てんかんフォーラムを開催いたします。
「てんかん患者の社会生活支援」と題して静岡てんかんセンターの久保田先生にご講演いただきます。
皆様、こちらも奮ってご参加ください。

2012.12.21

「第6回東北てんかんフォーラム」開催のお知らせ

「第6回東北てんかんフォーラム」を下記要領で開催致します。
日時:2013年1月19日(土) 18時00分~
会場:艮陵会館 記念ホール

内容:1) フォーラム討議 ~てんかん診療と社会~
講演1:「抗てんかん薬をやめる時 ~小児科医の悩み~」
講師 福與なおみ先生(東北大学病院小児科助教)
講演2:「ミシガン小児病院のてんかん診療」
講師 植松貢先生(東北大学病院小児科講師)
司会:中里信和先生(東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野教授)

内容:2) 特別講演
「てんかん患者の社会生活支援 ~心理社会的治療から運転免許まで~」
講師:久保田英幹先生(静岡てんかん・神経医療センター小児科診療部長)
司会:萩野谷和裕先生(宮城県拓桃医療療育センター副院長)

詳しい案内は,こちらをクリックして下さい.