てんかん学分野・てんかん科 新着情報アーカイブ

2010.12.22

研究分野名の変更が承認されました

本日開催の医学系研究科・医学部教授会において来年度の研究分野名の変更に関する協議が行われました.運動機能再建学分野も,平成23年4月1日付で新しく「てんかん学分野」に変更となることが了承されました.

2010.12.21

迷走神経刺激装置の埋め込み術を実施中です

迷走神経刺激とは,抗てんかん薬によっても従来の手術法(切除術・離断術)によっても,てんかん発作が消失しない患者さんに対し,頸部の迷走神経に電極をまきつけて刺激することにより,発作回数を減らす治療法です.現在,東北地方でこの手術を実施できる資格をもつ医師は,東北大学病院脳神経外科の岩崎真樹助教だけです.すでに東北大学病院ではこの装置を留置する手術が実施されております.患者さんからの手術適応等に関する相談は,東北大学病院脳神経外科の岩崎真樹助教,もしくは東北大学病院てんかん科の中里信和教授・神一敬助教まで.外来診察を予約した上でご相談下さい.医師からの相談は,電話もしくは電子メールでも構いません.

2010.12.20

2011年1月以降の「てんかん症例検討会」の御案内

画像:how2get2cafe

年が明けて2011年の最初の「てんかん症例検討会」は1月15日15:00より開催です.会場は新しくなった4号館2階の通称「てんかん科 Cafe」となりますので,お間違えの無いように.

御案内の【PDFはこちら】から.

2010.12.17

全学教育「体と健康」に対する学生さんの感想文

昨日の中里の講義「全学教育・体と健康 II(ビデオでみる「若者が意識を失うとき」)」を終えて,出欠確認を兼ねた感想文から,印象に残ったものを列挙します.

講義では,てんかんの実例を挙げながら,疾患名は有名でも実態は誤解されていることが多いことをお話ししました.一般の人たちのみならず,実は医師や医療従事者にも誤解が多いため,正しい治療を受けられない患者さんが多数いる可能性につても触れました.有病率1%ですから,学生さんの中にも患者さんはいると推測されます.正しい知識が,疾患の正しい治療につながります.てんかんでも普通の生活をおくることができる場合が多いことを理解してもらいたいと思います.

学生さんのコメントの数々に,まずもって御礼いたします.このようなコメントが教師のやる気の源泉となるのです.

  • てんかんという病気について全く知らなかったが,発作のビデオで症状について少しわかった.新しい治療法が次々と開発されているようなので,正しい治療を受ければなおる病気だとわかった.
  • 身近な病気であるのに,てんかんがこれ程までに一般に認知されていない,正しい知識が浸透されていないことを,非常に驚いた.
  • 聴いている人に興味を持たせ,かつわかりやすいパワーポイントは,とても良かったです.他の病気においても,誤解,偏見はあるものだと考え,自分もそういうものを持っていないとは言えないかもしれない.そういうことを考え,病気というものを考えていきたいと思いました.
  • 医学が完全ではないこと,しかし医学は着実に進歩しているのだということが実感できた.
  • てんかんという病気があるのは知っていましたが,精神的なものでしかないと思っていたので,手術で治ることもあることをはじめて知って驚きました.
  • Joy Division の Ian Curtis も,てんかんだったらしい.痙攣以外の発作があるなんて,知りませんでした.(※中里コメント: Ian Curtis のことは知りませんでした.教えてくれてありがとう.Wikipediaに少し詳しく書いてありましたね)

最後に,アドバイスを一言.欠席のかわりに友達に代返・代筆を依頼する手法は古くから有名ですね.ただし,依頼する場合の注意としては,学籍番号と氏名を一致させること,氏名の漢字を間違えないこと,明らかに同じ人とわかる字体で書かないように依頼すること.昨日の出欠表で,本人ならば絶対に間違えないと考えられるミスが認められた場合には,欠席とみなしましたので,あしからずご了承下さい.次回の出欠確認に際しては,こちらの技法をより向上させる予定です.

2010.11.29

医学科4年次「選択制統合型講義・演習」のスライド

画像:M4_lecture

本日の講義のスライドは,ここをクリックしてダウンロードできます.ファイルを開くパスワードは,講義の最後にお伝えします.

2010.11.26

大学院生の二次募集について

東北大学大学院医学系研究科では,平成23年度(第2次)の大学院生の募集を行っています.申請の受付期間は本年の12月6日~10日までです.今回の募集対象となるのは,医科学専攻博士課程(医学履修過程)および医科学専攻修士課程障害科学専攻博士課程(前期2年の課程)です.

募集の詳細は,左のサイドバーの「大学院生募集」からどうぞ.

運動機能再建学分野(てんかん科)では,てんかん・脳波・脳磁図に関連した研究者を広く募集しています.出身学部は理科系のみならず文科系でも大歓迎です.てんかんをとりまく多くの問題にとりくむために,幅広い分野の若手を募集しております.興味のある方は,直接,中里まで御連絡下さい.

パンフレットはここ(PDFはこちら)を入れる

2010.11.09

JSBET10のプログラム・抄録集が完成です

画像:jsbet_cover

11月18-19日に松島で開催される第27回日本脳電磁図トポグラフィ研究会グラフィ研究会(JSBET10)のプログラム・抄録集が完成しました.PDF版(758KB)はこちらをクリックして下さい.

2010.11.05

柏市で講演を行いました

柏市で開催の第2回 Epilepsy Management Meeting において,中里が講演を行いました.

演題名は,「てんかん診療の転換期」です.

講演に続いて,千葉大学の峯清一郎先生が提示した症例について,治療に関する検討会が催されました.患者さんの運命を左右しかねない事項ですので,忌憚のない意見が交わされ,きわめて意義深い検討会となりました.

2010.10.29

神戸で開催の国際臨床神経生理学会で講演しました

神戸のポートピアアイランドにおいて,4年ごとに開催されている国際臨床神経生理学会が開催中です.2日目の脳磁図臨床応用に関するシンポジウムにおいて,中里が全体の司会と,トップバッターでの講演を行いました.

演題名は,「Practical reasons for applying MEG clinically(脳磁図を臨床で使う実際的理由)」です.

内容としては,脳磁図が頭部導電率の不均一性の影響を受けにくいために空間解像度が高く,脳機能マッピングや,てんかん診断にきわめて有用である,というものです.

中里の発表に続いて,5名の演者が講演を行いました.

2010.10.28

日本脳神経外科学会総会で講演しました

日本脳神経外科学会総会が福岡で開催中です.2日目のランチョンセミナーにおいて,中里が招待講演を行いました.

演題名は,「転換期を迎えた『てんかん診療』 ~モニタリング・新薬・手術~」です.

日本のてんかん診療は,まさに転換期を迎えつつあります.

第一に,本年4月から保険適用が認められた長期間ビデオ脳波モニタリングの導入です.発作の抑制できない難治性てんかん症例に関しては,積極的な入院検査が望まれます.発作をとらえることによって,外来診療とは比べ物にならないほど高い精度での診断が可能となるからです.

第二に,新薬の導入です.新薬といっても日本以外の諸外国では10年も前から使われている薬ですが,日本は認可が下りるまでの時間が長いため,ようやく,といった感じです.新薬は,これまでの薬にくらべて効果が高いだけでなく,副作用が少ないという利点があります.この先数年で,てんかんの薬物治療は大きく変化すると期待されます.

第三に,新しい手術治療の進歩です.これまでの焦点切除術だけでなく,脳梁離断や半球離断などの神経回路の異常を絶つ手術が,どんどん進歩しています.さらに,迷走神経刺激術の導入にも大きな期待が寄せられています.

こうした新しい時代を迎えつつある「てんかん診療」ですが,専門医だけでは国内100万人の患者さんのすべてをカバーすることはできません.一般の脳神経外科医も,てんかん診療を行う必要があり,そのためには常に最新知識を取り入れていく必要があると考えます.