【原文】
I felt tired and sore and a bit unsteady, but I mostly felt relieved and quite excited. I was confident I'd begun a new, better life.
【意味】
少々疲れて痛むしフラフラもしたけれど,何よりホッとして興奮したよ.これから新しい人生,より良い人生が始まるんだと,確信したからね.
【説明】
ウォーリー・ルイス(Wally Lewis 1959年12月1日生まれ)は,オーストラリアのラグビー界のスター選手・名コーチ.あだ名は「キング」あるいは「ラング・パーク(ラグビー競技場)の帝王」.オーストラリアの国民的ヒーローと言われています.日本で言えば,王貞治,長嶋茂雄,イチロー,大鵬,山下泰裕,といったところでしょうか.
2006年11月30日,ルイスはテレビでスポーツ解説の最中に,てんかん発作を起こしてしまいました(この続きは,左のサイドバー「きょうのてんかん」からお入り下さい).
出江紳一先生(東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野)が筆頭著者として,日本臨床神経生理学会の機関誌「臨床神経生理学」に昨年に掲載した論文が,このたび同学会の奨励論文賞を受賞することになりました.表彰式は本年11月1日の神戸で開催される年次総会の中で行われます.対象論文は,「脳深部磁気刺激用マルチコイルの設計」.出江先生,おめでとうございます.
出江紳一,高木敏行,永富良一,中里信和,八島芳信,阿部利彦:脳深部磁気刺激用マルチコイルの設計,臨床神経生理 37: 1-9, 2009
東北大学小児科の植松貢先生が筆頭著書となる論文が,てんかんの専門誌 Epilepsy Research のオンライン版に掲載されました.
片側巨脳症は乳幼児てんかんの原因となる病気で,放置すると進行性に悪化する場合が多いため,最近では早期に外科的治療が行われるようになりました.この論文では脳血流量を調べるSPECT検査と,脳の糖代謝を調べるPET検査との比較との間に興味深い差異が認められることを報告しています.この違いは,手術の成績を予測できる可能性もあり,臨床的にも重要な研究結果と結論づけられています.
Uematsu M, Haginoya K, Togashi N, Hino-Fukuyo N, Nakayama T, Kikuchi A, Abe Y, Wakusawa K, Matsumoto Y, Kakisaka Y, Kobayashi T, Hirose M, Yokoyama H, Iinuma K, Iwasaki M, Nakasato N, Kaneta T, Akasaka M, Kamei A, Tsuchiya S: Unique discrepancy between cerebral blood flow and glucose metabolism in hemimegalencephaly. Epilepsy Res 2010 [Epub ahead of print](新しいウィンドウで表示)
明日の21日より,オーストラリアのメルボルンにて,4年ごとに開催のアジアオセアニアてんかん学会が開幕です.大会に先立って開催された「てんかん外科治療」のワークショップにおいて,中里が招待講演を行いました.
話題は「脳磁図を用いた手術前診断」です.
日本を除くアジア諸国で,脳磁図による臨床検査が行える施設は,中国に数箇所,台湾と韓国にそれぞれ1施設だけときわめて限られています.しかし脳磁図に関する研究は論文発表などで知っている先生方も多く,発表後の質問もたくさん頂戴しました.講演に続くワークショップの中では,手術適応を考える症例検討会が開催されたのですが,脳波所見をどう判読するかで大変に盛り上がりました.もし脳磁図検査が行えれば・・・という症例もあり,貴重な意見を交換できました.
Nakasato N: Magnetoencephalographic evaluation of neocortical epilepsy and eloquent cortical function 8th AOEC, Clinical Epilepsy Workshop on Epilepsy Surgery in Neocortical Epilepsy(新しいウィンドウで表示), October 20, 2010, Melbourne (Invited Lecture)
日本てんかん学会が岡山で開催中です.第5回てんかん学研修セミナーで,脳神経外科の岩崎真樹先生が「小児てんかんの手術適応」と題する講演を行いました.
この研修セミナーの対象者は,日本てんかん学会の会員・非会員をといません.開催の趣旨によれば,「日本てんかん学会研修到達目標に従って,小児てんかんと成人てんかんの診断と治療,てんかん外科,基礎神経科学の5分野について,基本的知識を重視し,ガイドラインも踏まえて,クイズ形式なども交えてビデオ供覧や症例呈示して実例から学ぶ点を重視し,各分野別の年毎のテーマについて研修を行うことを基本方針とします」となっています.
日本てんかん学会が岡山で開催中です.学会が今年から専門医制度に基づく「研修施設」の制度を開始しましたが,東北大学病院てんかん科は,初年度においてこの施設に認定されました.
日本てんかん学会が岡山で開催中です.学会が今年から「研修施設」の制度を開始しましたが,中里が初年度においてこの資格を附与されました
秋田市で開催された(社)日本てんかん協会の第18回東北ブロック大会において,中里が「てんかん治療の最前線」と題する講演を行いました.
講演に先立って企画されたシンポジウムでは「子供から大人へ,成人てんかんを何処で誰が診るべきか?」というタイトルで,沢石由記夫先生(秋田県立医療療育センター副センター長),小畑信彦先生(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター病院長),金山隆夫先生(笠松病院副院長)によるご発表と討論がありました.日本のてんかん医療を考える上で重要なテーマであり,中里の講演の中でもこれに関する私見を述べさせていただきました.伝えたかったメッセージは「てんかんのさまざまな問題や,特に難治性てんかんを,ひとりの医師ですべてカバーするのは不可能.複数の診療科がチームとして診るのが理想.医師だけでなく,看護師・薬剤師・ソーシャルワーカーも含めたコメディカルとの連携も重要」でした.
講演のあとはたくさんの質問を頂戴しました.質疑応答の際に,ところどころで拍手も頂戴して,大変に感激しました.
東北大学病院で月1回開催の「てんかん症例検討会」の特別企画として,グラクソ・スミスクライン(株)の主催による「東北のてんかん治療を考える会」が開催されました.最初の講演は東北大学神経外科学分野助教の岩崎真樹先生による『小児てんかんの内科的治療と外科的治療 ~東北大学での経験から』,次の特別講演には京都大学脳神経外科准教授の三國信啓先生をお迎えし,『脳機能を意識した脳神経外科手術 ~てんかん手術を中心として~』.東北地方の各県から,当初の予想を超えた多くの先生に参加していただきました.
「ナーシングプラザ.com」は,ナース・看護師・医療・福祉の情報サイトとして,インターネットを通じたナーシングの情報交流に貢献しています.東北大学病院てんかん科が取材を受け,10月号のコラムに,「てんかん治療への意識向上を目指して」と題した記事が掲載されました.
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