東北大学小児科から現在,Cleveland Clinic に留学中の柿坂庸介先生が,このたび Juhn and Mary Wada 奨励賞(2010年度)を授賞することに内定しました.
この賞は,日本てんかん学会が若手てんかん研究者の研究を奨励するために設けたものです.この秋に岡山で開催される第44回日本てんかん学会学術集会において授賞式が執り行われる予定です.
授賞の対象となった研究は,「後ろ向き電流方向を示す感覚運動発作の検討」です.柿坂先生が大学院時代に,広南病院に設置された脳磁計を用いて行った研究によるものです.東北大学のてんかんプロジェクトを推進する仲間として,これ以上の喜びはありません.柿坂先生,おめでとう!
昨日開催のプレスセミナーの記事が,医療情報のウエブサイトであるミクスOnline(新しいウィンドウで表示) に掲載されました.どなたでも閲覧可能です.
記事のタイトルは,「東北大病院 てんかんセンターを今秋発足へ」.てんかんセンターの名称を正式に使えるのは,まだ先の見込ですが,てんかんモニタリングユニットが稼動しますので,実質的なセンター化,ということで,よしとしましょう.
本日開催のプレスセミナーの記事が,メディカルトリビューン社のウエブサイト【MTPro】(新しいウィンドウで表示)に,さっそく掲載されました.登録は無料で,医師会員のみ全内容を閲覧可能です.
記事のタイトルとURLは,こちらから
<医師がてんかんになったら?「自分で治療を試み失敗する」ことが多い>(新しいウィンドウで表示)
東京大手町で,マスコミ関係者を集めてのプレスセミナーが開催されました.講師は中里がつとめました.
てんかんは誰もが知っている「ありふれた病」である反面,きちんとした専門医療を受けている患者さんは少ないと言われています.本来は通常の人たちとかわらない生活を送ることができる可能性のある患者さんでも,発作や発作以外の悩みをかかえたまま「アキラメ」ている可能性があるのです.その理由は,一般の方々が「てんかん」という疾患に対して誤解したままであることに加えて,医師に代表される医療者側も疾患に対する理解が低いために,多くの患者さんが最新情報に基づいた治療を受けていないからと指摘されています.
こうした問題を解決するには,マスコミの力による啓発活動が必要です.啓発活動は患者さんや一般人たちだけでなく,医師やその他の医療関係者に対しても行う必要があります.てんかんの専門医が自分たちの学会の中だけでプロフェッショナルな情報交換を行っていたとしても,大多数の患者さんを診療している一般の医師には最新情報が伝わっているとは限らないからです.今回,マスコミ関係者を集めたセミナーを開催する理由は,ここにあります.
てんかん専門医以外の医師や一般の人たちに,専門医療の必要性を認識してもらいたいと願っていますが,セミナーを通じてこの願いが広く行き渡ることを願います.
セミナーで記者に配布したハンドアウトの縮小版(PDF=7.5MB)はこちらから.
医用画像診断工学の講義タイトルは「脳磁図と脳波」.学生さにはメールでパスワードをお渡ししました.教えてもらいたい方は中里までお問い合わせ下さい(PDFはこちら).
タイトルは「ビデオモニタリング総論」,今回のパスワードは2010.7.6のファイルと同じですが,忘れた方は,神一敬先生までお問い合わせ下さい(PDFはこちら).
脳神経外科の岩崎真樹先生が,迷走神経刺激療法(VNS)技術講習会を受講しました.
VNSとは,抗てんかん薬や,通常の切除的な外科治療では治せないような難治性てんかんに対して,皮下に埋め込んだ装置を使って頸部の迷走神経を微弱な電気で持続的に刺激することにより,発作の回数を減らそうという治療法です.欧米ではすでに導入されていますが,日本では今年になってようやく保険の承認を得ることができ,装置の発売も開始となっています.
この治療を行える医師には特別な資格が必要ですが,東北大学では岩崎先生が資格を取得したことにより,東北地方では唯一,VNS治療を行える病院となりました.
てんかんの患者さんや,ともすると主治医の先生方も,もうこれ以上発作を減らすことができないのではないかとアキラメてしまう場合が少なくありませんが,新たにVNSが導入されることにより,適応のある患者さんにとっては発作を減らす手段が得られることになります.抗てんかん薬だけでは発作が消えない患者さんにとっての外科的治療法としては,切除手術(てんかんの病巣をとりのぞく),離断手術(てんかんの異常回路の一部を切断する),刺激療法(VNSのように神経や脳の一部を電気的に刺激する),といった3つの手段が残されています.VNSの適応の有無に関しては,東北大学病院脳神経外科の岩崎真樹先生か,東北大学病院てんかん科の中里信和もしくは神一敬までご相談下さい.
東北大学病院てんかん科では,診療と教育にあたる医師のスタッフ(講師・助教・医員・研修医)と,臨床検査技師(脳波検査専属)を募集しています.
詳しくは,左のサイドバーの「スタッフ募集」をクリックして,ご覧下さい.
東北てんかんフォーラムは,東北大学病院で,てんかん診療を行う関連各科が中心となり,外部から講師の先生をお招きして,てんかん診療の最新情報を学ぶとともに,テーマを決めて討論を行って,てんかん医療の推進に役立てることを意図しています.
第1回東北てんかんフォーラムは,本日開催されました.参加者は約70名と主催者側の予想をはるかに超えたため,当初用意した資料が残1部になる事態が発生しました.
最初に話題提供として,東北大学病院てんかん科の神一敬助教が,Cleveland Clinic Epilepsy Center での経験について講演し,続いて「長時間ビデオ脳波モニタリング検査のあり方」と題した自由討論が行われました.最後に特別講演として,東北厚生年金病院精神科の三浦伸義先生から,「心因性非てんかん発作の見分け方 ~精神科医からの提言」と題した特別講演を頂戴しました.
今回は第1回ということで開催前の不安も若干ありましたが,蓋を開けてみると,参加人数の上でも,講演や討論のレベルの高さの上でも,期待以上の大反響で,主催者としてこれ以上にうれしいことはありません.
なお,次回(第2回)は,2011年1月29日(土)の開催を予定しています.
岩手医科大学脳神経外科教授の小笠原邦昭先生を大会長として,表記の会が開催されました.参加者は70名を超え,過去最高です.
東北6県から集まった先生方の,基礎から臨床に及ぶ豊富な話題提供があり,質疑応答でも大変な盛り上がりを見せました.
次回(来年)は7月9日(土),むつ総合病院小児神経科部長の小出信雄先生を会長として,会場は今年と同じ江陽グランドホテル(仙台市)にて開催されることが決まりました.