てんかん学分野・てんかん科 新着情報アーカイブ

2010.05.28

EMEG-CLUBのご案内

加齢医学研究所の川島隆太教授の研究室に新しく脳磁計が導入されたことと,神経電磁気生理学分野が発足したことにともない,脳波と脳磁図の勉強会を定期開催することになりました.脳波EEGと脳磁図MEGをあわせて,EMEG-CLUBとさせていただきます.

脳波・脳磁図を研究目的で利用したい方々に開放する勉強会ですが,参加には事前にメーリングリストへの申し込みが必要です.詳しくは,加齢医学研究所川島研の菅野彰剛助教(akik アットマーク idac.tohoku.ac.jp)までご連絡下さい.

基本的に毎週木曜日午後1時30分から約1時間の開催予定で,脳波・脳磁図に関する情報交換や,Journal Club を実施します.

第1回は6月3日(木),会場は,加齢医学研究所の脳磁図検査室です.今回だけは開始時刻が早く,1時となります.横河電機株式会社による新しい脳磁計の説明が予定されています.

2010.05.28

専任の脳波技師さんの募集要項を入手しました

東北大学病院のビデオ脳波モニタリング検査に従事する臨床検査技師(常勤職員)の募集要項(PDF)ができ上がりました.病院ホームページへの正式掲載は担当者の都合で若干遅れますが,ひと足お先にご覧いただけます.

2010.05.25

教授就任記念講演会が開催されました

第95回東北医学科総会をかねて,艮陵会館記念ホールにおいて教授就任記念講演会が開催されました.

冒頭の山本雅之研究科長の挨拶では「国際学会・全国学会での活躍も重要だが,まず地元での活動や評価を大切にすること」というお言葉がありました.包括的てんかんセンターを作ろうとする私達のプロジェクトに対して送られた言葉のように思えて,わが意を得たり,という気持ちになりました.

今回の新人教授は6名で,中里は4番目に「てんかん学と脳波学の再興」と題した講演を行いました.「再興」とした理由は3人の先輩の存在によるものです.

画像:yamagatachugei

第一に,山形仲藝(やまがた なかき,1857-1922)先生の存在.東北帝国大学の初代医科大学長(1916-1918)を務めた外科医であり,日本で最初のてんかん外科治療(減圧開頭術)を行った先生です(写真は,医学部第一会議室に飾られた歴代医学部長のトップ).

画像:motokawakouichi

第二に,本川弘一(1903-1971)先生の存在.生理学者で戦前から脳波研究を行い,1927年に日本脳波学会を創設しました.東北大学が日本の脳波学発祥の地,とよばれる所以です.(写真は,医学部第一会議室に飾られた歴代医学部長から)

画像:suzukijiro

第三に,鈴木二郎(1924-1990)先生の存在.東北大学脳神経外科の初代教授で,中里の恩師でもあります.鈴木二郎先生の脳研究の業績集の第1号論文の表題は,癲癇に於ける諸種刺激附興時脳波の検討(遠藤辰一郎,他,東北医誌48巻,1953)です.この論文の冒頭では,気脳術などの器質的変化をとらえる「静的の観察法」だけでは,てんかんの診断は不十分であり,大脳の機能状態,時々刻々推移する変化を追求すると云う意味で「動的の観察法」である脳波が特に重要,と述べています.気脳術をMRIなどに置き換えれば,現在でも十分に使えるフレーズではありませんか.さらには,「癲癇の脳波変化は,一過性のことが多く,長時間の観察によるらなければ,看過される可能性もあり(略)」ときては,私達の長時間ビデオ脳波モニタリングユニットの宣伝文句のようです.(写真は仙台市の財団法人広南会広南病院ロビーにおかれた佐藤忠良の作品)

というわけで,中里の教授就任記念講演の結論としては,東北大学において,てんかん学と脳波学を復興して,まずは欧米の大学病院レベルの臨床基盤を確保すべき,というものでした.

2010.05.22

艮陵同窓会定期総会が開催されました

艮陵同窓会とは東北大学医学部と加齢医学研究所の同窓会組織です.この時期に年1会の定期総会が開催されて,新任教授の紹介・各種の記念賞授与式と授賞講演・特別講演会のあとに祝賀懇親会に移行します.今年の会場はホテルメトロポリタン仙台です.

今年度は中里も新任教授として紹介され,記念品を頂戴いたしました.宮城野萩のデザインの漆の文箱です.

特別講演では精神科医師の香山リカ氏が,「マスメディアと診察室のはざまで」と題した約1時間の講演を行いました.現在の若者の精神構造を,若者目線で解析しつつ,医学部同窓会にあわせて医師が医師仲間に話しかけるスタイルもしっかりキープしており,さすがプロだと感心できる内容でした.

2010.05.15

専任の脳波技師さんの雇用が決定しました

画像:EEG Tech

東北大学てんかんセンター(仮称)のビデオ脳波モニタリング検査の開始に向けて,本年(2010年)9月1日より勤務していただく脳波技師さんを準職員として募集することが決定しました.

さしあたり4名ですが,来年度にはさらに追加募集を行い,週末や祝日も含めた24時間体制にする予定です.近日中に募集要項が発表になる予定ですが,募集の締切は6月末頃で,書類選考に続く面接は7月中旬を予定しています.ビデオ脳波モニタリングは,部屋や装置があれば可能になる検査ではありません.これを支える医師,看護師,そして脳波技師の存在が不可欠です.日本で最初の大学病院てんかんセンターで,脳波技師としての腕を磨くまたとないチャンス! 優秀な技師さんの応募をお待ちしています!

(写真は脳波電極装着のイメージ図)

2010.05.15

ビデオ脳波モニタリングの導入が決定しました

画像:EMU at Bonn Univ

東北大学てんかんセンター(仮称)の発足にとっての必要条件のひとつとして,発作をとらえるための長時間ビデオ脳波モニタリング検査があります.これは今年4月の診療報酬改訂で正式に認められた検査ですが,欧米の主要なてんかんセンターではずっと以前から,必須の標準検査として採用されていたものです.

このたび,てんかん科からの事業計画が認められ,本年度中に7台のシステムが導入される見通しです.計画では,てんかん科の病棟(東12階の一角,3~7泊程度の長時間モニタリング検査入院を想定)に4台(男女それぞれ2床ずつ)と脳神経外科の病棟(西11階の一角)に2台(頭蓋内電極留置の患者さんを想定),およびポータブル1台(手術室・神経救急・脳死判定などを想定)に配置し,最終的にはこれをネットワークで接続する方式です.近日中に機種選定委員会を開催することも決まりました.

まだデザインは決まっていませんが,あくまでも理想のてんかんセンターのイメージ図をご紹介します.これはドイツのボン大学てんかん科(新しいウィンドウで表示)にあるビデオ脳波モニタリングユニットの監視室のもの.脳波所見とビデオカメラ所見が数台分,いっぺんに見られるようになっています.スッキリしたデザインですね!

2010.05.14

大沢伸一郎先生のエッセイが掲載されました

脳神経外科の大学院生で,てんかんの基礎研究も行っている大沢伸一郎先生のエッセイが,教室員会だより(Vol. 16. No. 1, Early Summer, 2010)のコラム「広報部員のひとりごと」に掲載されました.タイトルは「趣味の独り言」.囲碁に関する話です.(PDFはこちら)

大沢先生は東北大学囲碁部の元主将です.アマチュアの県大会での優勝歴や,学生の日本代表としての海外遠征歴,さらには,アマチュアとプロが一緒に戦う阿含桐生杯という大会で,現役のプロ棋士に二連勝したこともある実力の持ち主です.

中里は「ザル碁打ち」(穴があいて水が漏れる,つまり,壮大なプロジェクトが崩壊するような碁打ち)でありますが,大沢先生が医学部の実習にやってきた時には,指導教官という職権を乱用して,夕方5時を過ぎてから何度か打ってもらったことがあります.数年たった現在,大沢先生がてんかん研究に打ち込んでくれるのは大変うれしいのですが,今の立場では「囲碁を教えてくれ」とは頼みにくくなってしまいました.大沢先生の研究は順調に進んでいますし,彼も囲碁を打つより研究に没頭する方が幸せそうなので,まっ,いっか,といったところ.

2010.05.14

岩手県一関市でも,てんかん専門外来が開始となりました

岩手県立磐井病院において,てんかん専門外来の診療が開始されました.毎月1回,金曜午後の予定です.磐井病院も含めた東北大学てんかんセンター(仮称)の出張専門外来の当番表は,左のサイドバーの「てんかん外来のご案内」をクリックしてご覧下さい.

一関市は岩手県内陸南部の交通の要所です.南北に走るのは,東北新幹線と東北自動車道.東に行くと三陸沿岸部の気仙地方,西に行くと栗駒山.宮城県北部とのつながりも強い地域です.

磐井病院の建物は3年前に新築されたばかりで,外から見ても中からみても,まるで Modern Art Museum.機能的にも細かなところまで気配りが感じられますし,心地よい空間が随所にある落ち着いた建物です

2010.05.13

iTune Radioを聴けるようになりました

難しい仕事に集中する時に,音楽を聴いてはいけません.集中力が低下します.けれども簡単な作業の場合や,難しい仕事と仕事の切れ間の背伸びやエスプレッソタイムでは,バロックもシンフォニーも最高です.自分の CD ライブラリでも良いけれど,時にはラジオのように誰か別の人が選んでくれた曲が,良いインスピレーションを生んでくれることがあります.その意味で,iTune Radioは最高のサービスです.

これまで星陵キャンパス内で iTune Radio を聴くことはできませんでした.ウイルス防止機能が強力だったためです.2月に星陵地区に移ってこのことを知りがっかりしていたのですが,このたび情報基盤室のご厚意によりまして,iTune Radioへのプロテクトを外してもらうことができました.ちなみに今の私のお気に入りは,All-Classical WGBH (Boston)

2010.05.12

平成23年度入学の大学院生募集案内(パンフレットPDF)ができました

運動機能再建学分野(てんかん科)では,医科学と障害科学の両分野の大学院において,平成23年入学の修士課程・博士課程の大学院生を募集しています.

入学願書の入手法など,詳しい案内は,こちら(新しいウィンドウで表示)から.

平成22年9月より,東北大学病院てんかん科では,全国の大学にさきがけて,包括的てんかんプロジェクトを始動します.発作をとらえるビデオ脳波モニタリングユニット7台と専任の技師をそろえた日本一の体制です.センターでは,医師のみならず看護・検査・薬剤・神経心理・教育・法律・工学も含め,基礎から臨床,さらに社会学まで,さまざまな分野の出身者に研究の場を提供いたします.また平成22年5月には,東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同研究センターの中に,新しく神経電磁気生理学分野が誕生しました.神経電磁気生理学分野と運動機能再建学分野(てんかん科)をあわせて,当教室では,てんかん学と電磁気生理学を統合した研究を実施いたします.日本ではじめてのユニークな研究環境を有する当教室では,医師のみならず看護・検査・薬剤・神経心理・教育・法律・工学も含め,基礎から臨床,さらに社会学まで,さまざまな分野の出身者を大学院生として迎え入れる予定です.