神経電磁気生理学寄附講座へようこそ

Department of Electromagnetic Neurophysiology

神経電磁気生理学寄附講座では、電気と地場を使って脳の機能を研究します

脳の神経細胞が活動すると,電流が発生します.
この電流を調べることによって,脳の働きを知ることができるのです.
脳の電流を,電圧として測定する検査が「脳波」です.
脳の電流を,その周囲の磁場として測定する検査が「脳磁図」です.
「脳の電気刺激」でも,脳の働きを知ることができます.
「脳の磁気刺激」でも,脳の働きを知ることができます.

脳波は長い歴史を持ちながら、今なお最先端研究に使われる手法です

東北大学病院では戦前より,本川弘一先生(元学長)が脳波研究を行いました.
このため仙台は,日本の脳波学発症の地と呼ばれています.
現在でも脳波は,てんかんなどの診断に欠かせない検査法です.
脳波によって,脳の機能をミリ秒単位で診断するこも可能です.
頭皮脳波は安全で非侵襲的な検査法です.
必要に応じて,患者の脳から直接記録する脳波もあります.

脳磁図はとても微弱ですが、超伝導技術により測定が可能になりました

東北大学では1988年,中里教授を中心に,脳磁図研究が開始されました.
地磁気の百億分の1程の微弱な信号ですが,超伝導を用いて測定が可能です
脳磁図は脳波と同じくミリ秒単位の高い時間解像度を持っています.
脳磁図はまた,脳波に比べて高い空間解像度も持っています.
東北大学グループは,脳磁図の応用研究で世界のトップレベルにあります.
現在,超伝導を使わない,まったく新しい生体磁気計測装置を開発中です.

脳の電気刺激は、病気の治療のために頭蓋内に留置した電極で行います

脳の外科手術の際,脳表を電気で刺激する場合があります.
てんかんの手術のため,脳表や脳内に電極を留置し,刺激の検査も行います.
脳の刺激部位によって,患者さんはさまざまな症状を呈します.
これによって,脳の機能部位を正確に知ることができるのです.

脳の磁気刺激は、頭皮上のコイルに強い磁場を発生させて行います

強い磁場によって,脳の中に電流が発生します.
磁気刺激を用いると脳を露出することなく安全に刺激が可能です.
磁気刺激装置の開発によって,臨床応用が広がりつつあります.

画像:中里信和

電気や磁気は,高い時間分解能で脳の機能を高速に解析できます.
人間の脳の働きをミリ秒単位で調べるのは,電磁気生理学が最も得意とする分野です.
私たちは,正常な脳の働きを調べるための脳機能研究の最前線に立っています.私たちはまた,てんかんなどの脳の病気を治療するための臨床チームでもあります.
脳に興味を持つ皆様と一緒に,世界のトップレベルの研究を行いたいと願っています.

平成29年2月

東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野 教授
東北大学大学院医学系研究科 神経電磁気生理学分野 教授(兼任)
東北大学病院 てんかん科 科長(兼任)
東北大学病院 てんかんセンター センター長(兼任)

中里信和